Morey Saint Denis(モレ・サン・ドニ村) – コート・ド・ニュイ(Cotes de Nuits), Bourgogne(ブルゴーニュ)

5つのグラン・クリュを持つモレ・サン・ドニで一番広いのは、ピノ・ノワールの畑で、いくつかの区画ではシャルドネとピノ・ブランも育てられている。全般的に 堅固で豊満なのが特徴。赤は生き生きしたルビー、深紅、凝縮したガーネットで紫を帯びた色合い。ブーケは黒い果実(カシス、ブルーベリー)と核果の赤い果実(チェリー)。そのほかにスロープラム、野バラ、スミレ、カーネーション、甘草、フルーツのブオー・ド・ヴィ漬けと広がる。熟成させると狩猟に関連する、なめし革、コケ、ジビエ、トリュフが現われる。しっかりしたストラクチャーがあり、口に含むと、ボディの強さと果実味がバランスをとっている。1936年にAOCに認定。

畑はジュラ紀中期の石灰質と粘土石灰質の上にある。斜面の上部にはバトニアンの白い魚卵状石灰岩、下部にはバジョシアンのウミユリ石灰岩。東向きで標高は220~270m。村の下では谷が日照の向きを変え、土壌はより泥灰土が多くなる。

フランスワイン・ヴィンテージチャート

’92 ’93 ’94 ’95 ’96 ’97 ’98 ’99 ’00 ’01 ’02 ’03
ボルドー
ブルゴーニュ × × ×

☆ > ◎ > ○ > の順。×は当たりワインの少ない年です。

フランスワインの産地〜概要

北緯42~41度に位置するフランスは日本に比べると寒冷地ですが、地中海や北西部からの暖流の影響もあり、全体的には温暖な気候に恵まれています。

フランス地方

アルザス

ヴォージュ山脈とライン河の間の南北約120kmに渡る丘陵地帯で、ドイツとの国境に位置するこの地域では、過去100年にフランスとドイツで代わる代わる統治された歴史もあり、これがワインづくりに大きな影響を与えています。

ヴォージュ山脈によって大西洋からの湿った空気は遮られ、フランスでは最も降雨量の少ない地域です。冬は寒く、夏は輝く太陽の灼熱に覆われます。晩秋の好天によりブドウがゆっくりと成熟し、摘み取りの時期は比較的遅いです。また、石灰岩、花崗岩、砂、砂岩など多様な土壌でできているのも特徴です。

ブドウ品種やボトルはドイツのワインと似ていますが、味は全く異なります。

シャンパーニュ

シャンパンの産地としても有名なこの地方は、フランスの産地で最も北に位置し、しばしば春の霜がブドウを脅かす厳しい気候条件となっています。厚い白亜質の地層にブドウ畑が作られ、この水はけのよい白い土壌が乏しい日光を吸収し、ブドウの成熟に必要なミネラルを供給して成長を促しています。

シャンパンの原料となるブドウ品種は、主にピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエの3種類で、黒ブドウを使って白ワインを造るのがシャンパーニュの特徴で、黒ブドウ(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ)のみを使ったシャンパンを「Blanc de Noir(ブラン・ド・ノワール)」、白ブドウ(シャルドネ)のみで造られたシャンパンを「Blanc de Blanc(ブラン・ド・ブラン)」といいます。。シャンパンの複雑な味わいを表現するために、ブレンドの技術や割合はトップシークレットとされています。シャンパーニュ生産者の殆どがブドウを買い付けてブレンドし製造するため、有名で大規模な生産者はネゴシアン・マニピュランと呼ばれます。

生産量の約95%が辛口の白ワインであり、AOC名はブドウ品種名です。原則として、「リースリング」「ゲヴェルツトラミネール」「ピノ・グリ」「ミュスカ」「シルヴァーネル」「ピノ・ブラン」のいずれかが単独で使用されます。その他、「Vindantes Tardives(ヴァンダンジュ・タルティブ)」という遅摘みしたブドウから造られる甘口ワインや、「Selection de Grains Nobles(セレクション・ド・グラン・ノーブル)」という完熟ブドウ・貴腐ブドウから造られる甘口ワインがあります。

ブルゴーニュ

ボルドーと双璧をなす銘醸ワイン産地であり、フランス中東部の南北約260kmに細長く続く地域です。北のシャブリ地域、中央のコート・ド・ニュイ(コート・ドール北)とコート・ド・ボーヌ(コート・ドール南)、南のコート・ド・シャロネーズとマコネーの地域、ボジョレー地域と分かれ、それぞれに特有の土壌(クリマ)や日当たり、ミクロクリマ(微小気候)が見られます。

ブルゴーニュでは他の産地と異なり、複数のブドウをブレンドしてワインを造ることはなく、赤ワインにはピノ・ノワールかガメイ、白ワインにはシャルドネかアリゴテを単独で使用します。

ブルゴーニュの畑はフランス革命により小作人たちに分け与えられたという歴史があり、その後の相続もあって1つの畑に十数人の所有者がいるような細分化が進んでいるため、同じ畑で造られたワインでも、生産者の違いによって味が異なるようになっています。また、零細栽培者だけでは困難な醸造や瓶詰、流通などの問題を解決するため、自らブドウ園も所有するネゴシアンが他の零細栽培者からワインを買い足して自分のワインとブレンドしているので、ブルゴーニュのワイン品質は原産地だけでなく、ネゴシアンによっても大きく左右されます。

ロワール

フランス中央部から大西洋へ流れる約1000km(フランス最長)のロワール川流域のワイン産地で、流域に優美な古城が点在し、ブドウ畑がひしめきあっていることから「フランスの庭園」と愛称されています。西から、ペイ・ナント地区、アンジュ・ソーミュール、トゥーレーヌ、中央フランスの4つの地域に分かれます。

地域としては大変広大なため、栽培されるブドウ品種も多様で赤や白・ロゼ、スパークリングの甘口~辛口まで殆ど全てのワインが生産されています。

ナント周辺では、軽くてフルーティー、独特の酸味をもつキレの良い辛口白ワイン「ミュスカデ」があり、発酵後のオリを除去せず春先まで貯蔵し、上澄みのワインを瓶詰する「ミュスカデシュール・リー」が有名です。

アンジュ・ソーミュールでは、ロゼ・ダンジュが有名ですが、ロゼ中心ではあるものの他にも多様な種類のワインが生産されています。

トゥーレーヌでもさまざまな種類のワインが生産されており、ヴーヴレイやモンルイで造られるシュナン・ブランをベースとした良質の白ワインが有名です。

フランス中央部は、シャブリと隣接し、貝殻を含む粘土石灰岩からなる「白い土地」と呼ばれる特徴的土壌を持ち、ソーヴィニヨン・ブランの単品種から造る個性的な辛口白ワインの名産地です。中でも、サンセールやプイィ・フュメは酸味とキレの良い辛口白ワインとして有名です。

ボルドー

フランスのAOCワインの約1/4という膨大な量のワインを産出するボルドー。多くのワインが輸出される今日、仏経済にも多大な影響を与える一大拠点です。異なるブドウ品種の調合を5000近くある醸造所(シャトー)が行うため、様々な色や風味・味わいの異なるワインが生産されます。

ボルドーには、メドックやグラーヴ、サンテミリオン、ポムロールといった銘醸赤ワインの産地や、貴腐ワインで有名なソーテルヌなどがあります。

メドック(Le Medoc)

ラテン語で”水の真ん中”を意味する「in medio aquae」からその地名が由来するように、大西洋とジロンド河の中間に位置するメドック地区のブドウ畑は、大西洋側に広がる松林によって潮風から守られ、河口を見下ろす小高い丘にあります。水はけのよい砂礫(小石、砂、砂利の混合土)の土壌は、主要品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローに最適であり、長期間保存が可能などっしりとした赤ワインを生み出します。

村名AOCの「サン・テステーフ(St. Estephe)」や「ポイヤック(Pauilac)」「サン・ジュリアン(St. Julien)」「マルゴー(Margaux)」「リストラック・メドック&モーリス(Listrac Medoc & Moulis)」の6つの村には、世界的にも著名なシャトーが集中しており、最高級ワインの産地です。

グラーヴ(Graves)

メドックの延長線上にあり、ガロンヌ河が運んだ砂利と玉石に覆われているこの地域のブドウ畑では、一つのシャトーで赤・白両方のワインが造られていることが多いです。中でも最北部のペサック・レオニャンのワインは独自の秀逸さを持ち、ポイヤックやマルゴーに匹敵する最高級品とされるワインも生産しています。

サンテミリオン(St. Emilion)

巡礼路の宿場町として栄えたこの街には、壮麗なシャトーが広大なブドウ畑を所有して散在しています。1999年には、ワイン産地として初めて世界遺産に登録されました。サンテミリオンは土壌と地形から、高台にあるコート(Cotes)と砂利質土壌のグラーヴ(Graves)の2つに大きく分けられ、コートではメルローが、グラーヴでは主にカベルネ・フランが栽培されています。ワインは力強くコクがあり、ビロードのような滑らかさが特徴で、ファンも多い地域です。

ソーテルヌ(Sauternes)

ガロンヌ河上流の左岸に位置し、支流のシロン河の冷たい水がガロンヌ河に流れ込む時に生じる霧の湿気がブドウの貴腐化を促し、フランスでもっとも品質の高い甘口白ワインを生産しています。ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・エッセンシアと並ぶ三大貴腐ワインのソーテルヌ。20年~30年と長期熟成をしたワインは独特の甘さと豊かな風味を持つ絶妙のワインで、神品とまで言われています。

アントル・ドゥー・メール(Entre Deux Mers)

ドルドーニュ河とガロンヌ河に挟まれた大きな三角形の地区で、ボディとフルーティーさが調和した新鮮な味わいの辛口白ワインを主に産出しています。

コート・デュ・ローヌ(Côtes de Rhône)

ローヌ河岸に沿って南北約200km続くこの地域では、南国の強い太陽を受け、ワインは全般的に個性豊かで力強く、コクのあるものが多いです。

北部は急な崖の間に狭い谷間を形成し、ブドウの樹も急な段々畑に植えられています。このため、産出量はあまり多くなく、長期熟成型の赤ワインと少量の白ワインを産出しています。

南部は広大な平地が広がり、コート・デュ・ローヌの85%を生産しています。中でもスパイシーな香りのする強くて力のあるシャトーヌフ・デュ・パプの赤ワインや、タヴェルのロゼワインが有名です。

ランドック・ルーション(Langedoc et Roussillon)

南フランスのローヌ河の西からスペイン国境までの海岸沿いにあるランドックとルーションは、併せて約43万haと広大で、土壌は黒い片岩や赤い石灰岩、珪質土など変化に富んでいるため、テロワールを選別しながら栽培を行っている栽培家も多いです。